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香苗「な、な、なにやってんだ! 辰也のバカーーーーーーーッ!!!」
『できれば朝の第一声は「おはよう」であってほしい』
そんな願いを香苗に伝えてみたが、香苗の目は既に正気を保っているようには見えなかった。
香苗「黙れこのドスケベがっ!」
酷く殺意のこもった視線で俺を睨みつけていた。
辰也「ったく、朝っぱらからなにそんなにカリカリしてんだよ?」
俺は上半身を起こす。
香苗「この状況をよぉぉぉっく見てみろっ!!」
辰也「状況って……あっ!!」
いつの間にか布団の中には佐枝ちゃんと、遥ちゃんがもぐりこんでいた。
辰也「い、いつの間にっ!?」
香苗「聞けば昨晩はずぅ〜〜っと部屋にいなかったそうだな? ん?」
香苗は額に血管を浮かべ、俺の頬を叩く。
辰也「ナ、ナンノコトデスカ〜〜」
俺は香苗から目を反らした。
さやか「たっちゃん、たっちゃん。明日は私と一緒に寝るんだよ☆」
辰也「大歓迎♪」
さやか「わーい☆」
俺とさやかは満面の笑顔を浮かべる。
香苗「聞けよ、人の話」
辰也「ハイ、ズビバゼン……」
香苗「──で、昨日の夜は何してたのか吐いてもらおうか?」
辰也「何もしてねぇよっ!」
香苗「あぁん? お前、人と話すときは目ぇ見て話せよな?」
……香苗のキャラが何となく違う……。
佐枝「むにゃぁ……辰也クゥン……もっとぉ、もっとぉ……」
遥「お兄ちゃん……もっとエッチなことをして……」
佐枝達の寝言が聞こえる。
2人とも無意識のウチに出た言葉だろう。
香苗「ほほぅ……昨日は随分とお楽しみだったようだな?」
辰也「ちょっ……待てっ! そんな状況証拠不十分だろ、その結論っ!」
香苗「問答無用っ! 鉄拳制裁っ!!!!」
香苗の剛拳が唸りをあげて飛んでくる。
辰也「ウギャアアアアアアアアアァァァァァァッ!!!!」
朝一番、旅館の中に俺の悲鳴が響き渡った。
── 完 ──
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