あらすじ

「やめろっ!はぁはぁ・・・」
枕を汗でぐっしょりと濡らし、ガザニアはまた悪夢から目覚めた。
妹の殺される瞬間が毎晩悪夢として彼を苦しめるのだった。
夢の中で妹のアリッサは何度もガザニアの名前を呼んでいた。
「もう少しだ・・・俺たちの幸せを奪ったやつらに償わせてやる・・・」
「そして、アリッサを蘇らせるために・・・」
心配そうにガザニアを見つめるアリッサムの頭をなでながら、呪文のように何度もつぶやいていた。


物語の舞台は、魔法によって繁栄を築きあげる国、マジックガーデンから始まる。
ガザニアは、その王家に生まれ、後継ぎとして平和に暮らしていた。
そして、彼が長年研究していた『マジックドール』と呼ばれる人造人間が完成しようとしていた。
マジックドールが、人々の手助けし、国がますます繁栄していくことを夢見ながらガザニアは研究に没頭していた。

しかし、近隣諸国は、発展する魔法技術とその産物である『マジックドール』に脅威に感じ始めていた。
魔法により動作し、死を恐れず、主人ために絶対的な忠誠をつくす『マジックドール』は、人間にとって代わる理想の兵士だった。
量産された暁には、マジックガーデンが経済ともに軍事的にも、近隣諸国を凌駕する力を持つことは明白だった。
近隣諸国はお互いの腹の内を探りあいながらも、密約を交わし、極秘裏にマジックガーデンを襲撃する計画を進めていた。

そして、ある日、近隣諸国連合軍の合同演習との名目で、マジックガーデンとの国境沿いに展開していた数十万の大部隊が国境線を超え侵攻を開始した。
近隣諸国連合軍の電撃作戦は成功し、街や村を蹂躙しながら近隣諸国連合軍はマジックガーデンの城を目指し進軍した。
侵攻開始から僅か4日で城まで侵攻した近隣諸国連合軍は、昼夜を問わない攻撃で城を陥落させた。


この戦争によって肉親を奪われたガザニアは、妹のアリッサと共に辛くも小さな村に逃げ延び、息を潜め暮らすことになった。
しかし、その生活も長くは続かなかった。
討伐隊に村を襲われ、ガザニアの目の前でアリッサが犯され、殺されようとしていた。
その時、主人公の脳裏に、ある声が聞こえた。


「そなたに力を貸そう」


ガザニアは両親から譲り受けた『英知の宝珠』によって得た力を使い、アリッサを助ける。
その後、身分を偽りながら逃亡の旅をしていたガザニアだったが、マジックガーデンと友好関係にあった国の王と出会い、王宮へ迎えられることになった。
ガザニアは、そこで完成目前だった『マジックドール』の再現に成功する。
しかし、その功績を妬んだ周りの貴族たちと、人形に自分たちの地位が脅かされるのではと考えていた騎士たちの策略によって、アリッサを殺されてしまう。
アリッサが死ぬ間際『マジックドール』の中に妹を封印し、再び身を隠すことになった。

ガザニアは魔法の力を信じ、最愛の妹アリッサを蘇生させようとしていた。
アリッサの蘇生に必要なものは『英知の宝珠』に封印されている真の力。
魔導書によると、封印を解くためには、死を司る旧神への絶対的な忠誠心が必要で、それは王族の血を引く、三組の双子の姉妹でなければいけないというものだった。
「六匹の贖罪羊か・・・」
ガザニアに心当たりがあるとすれば、それは奇しくも、ガザニアの生まれ育った国や肉親を奪った、三国の双子姫たちだった。


愛する妹のために、ガザニアは復讐に目を輝かせていた。



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